石けんの作り方
石鹸(石けん・せっけん)とは、脂肪酸とアルカリが反応して出来た脂肪酸ナトリウム・脂肪酸カリウムのことです。
油脂もしくは脂肪酸に水酸化ナトリウムを反応させたものが固形石鹸になり、水酸化カリウムを反応させたものが液体石鹸になります。
伝統的な製法では、油脂に苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を混ぜ合わせ作ります。
近代的な製法では、油脂を前処理し、脂肪酸とグリセリンに別け、脂肪酸にアルカリを反応させて製造します。この方法を中和法と呼んでいます。
石鹸の製造法はメソポタミア時代にも記録があり、古くから知られていました。石鹸家の伝統釜焚製法はアレッポやマルセイユで行われている方法と殆ど同じです。国内で明治時代に広まった製法を元に改良を重ね今日に至っています。
防腐剤、合成界面活性剤、安定剤などの添加物を加えない、無添加天然素材の石鹸ですので、デリケートなお肌の方はもとより、赤ちゃんからお年寄りまで幅広くお使い頂けます。
泡立ちは控えめですが、適度な洗浄力で、お肌に刺激を与えません。
合成洗剤の泡立ちにはかないませんが、泡立てネットを使えばモコモコとした泡がたくさんたちます。
実際の製造工程は「石鹸製造工程」をご覧ください。
コールドプロセス
油脂に水酸化ナトリウム(NaOH)を加えて撹拌し、加熱せずに反応熱だけで鹸化(石鹸化)させ、塩析を経ずに製造する方法です。グリセリンや未反応油脂、油脂に含まれる不純物(ビタミン等)がそのまま石鹸に残ります。家庭でも比較的簡単に作ることができますが、反応中の温度管理や熟成乾燥期間を充分にとらないと未反応の水酸化ナトリウムが石鹸内に残留してしまう等の難しさがあります。
石鹸家ではコールドプロセスでのご注文に素早く対応できるよう、製造体制を整えました。ですが注文が重なりますとお待たせすることがあるかと思います。
油脂は減圧状態で高温(240℃~)にし、蒸気を使って精製しています。弊社で使用する精製油脂はこの工程を経ています。
コールドプロセス石鹸OEM
釜焚鹸化法(ホットプロセス)
油脂に水酸化ナトリウム(NaOH)または水酸化カリウム(KOH)を加え攪拌し、加熱して鹸化(石鹸化)させます。天然のグリセリンが石鹸にそのまま残るのが特徴です。良質な石鹸を製造するためには、熟練した職人の勘や技術が必要となります。また、シリアのアレッポやフランスのマルセイユなど古来から石鹸を製造してきたところで今でも行われている製法です。
釜焚鹸化法には塩析を行う方法もあります。塩析を繰り返すことでグリセリン等は失われますが石鹸の純度は高くなり、脂肪酸ナトリウムそのものの石鹸となります。
中和法
弊社ではこの製法は行っておりません。参考までにご覧ください。
油脂を脂肪酸とグリセリンにあらかじめ分解しておき、脂肪酸を水酸化ナトリウム(NaOH)または水酸化カリウム(KOH)で中和して製造する方法です。グリセリン等は後で添加 することもあります。中和法は、配合する脂肪酸をコントロールできるため、刺激性の高い低級脂肪酸を取り除く等、近代的で化学的な製造が可能です。